[009]    深夜勤務     mil  


 

陽の元にある時は途切れることのない
ざわめきに満ちていたケロン軍本部も
日付も変わろうかという時間になると
流石に人気もなくなり静寂の空間に満たされる。
微かな音さえ何倍もの音量となって
響き渡っていきそうな建物の一室で
それは密やかに息づいていた。
部屋の照明は落され闇に沈んでいるが
 ほのかに灯されたデスクスタンドが
汗ばむ紫紺の体躯を妖しく照らしていた。
はぁ、と零れる吐息と押し殺した声が
耳元に零れ落ちて来て大佐は
そっと笑みを浮かべた。
「もう限界かい?」
揶揄を含んだ上司の言葉に
紫紺の体躯をした部下が
金色の瞳を細めて唇をかみしめる。
執拗なほどの愛撫で高められた情欲に
それまで耐えていた理性が
屈したような屈辱を感じたのだろう。
屈辱と羞恥と情欲に頬が紅潮する姿が
快楽を与えようとする者に更なる欲情を煽っている事を
気付いているのか気付いていないのか。
どちらにしても今更引き返す事など出来ないし、
止めるつもりもない。
「深夜勤務はまだ終わらないよ。
もっと楽しもうじゃないか。」
くつりと笑う大佐の囁きに
紫紺の部下は諦めたように瞳を閉ざした。




作者コメント 
ひと月ちかくの放置まことに申し訳ありませぇぇぇん;;
いろいろ言い訳並べ立てるより一枚でも多く投稿すべきと思い……
思っていてコレかいっ!!(恥)
スミマセン;;定番の定番で…
あと半月程ですが最後までお祭り盛り上げて参りたいと思います!

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