何度も角度を変えて落される口付け
ちゅ…くちゅ、と微かな水音が
耳朶を打つたびにガルルは
頬が紅潮していくのを止められなかった。
真昼間からこんなところで
こんな風に逢瀬をしているだけでも
ガルルの理性は背徳と羞恥を訴えているが、
深く深く差し込まれる舌先が
ガルルの口腔を艶めかしくかき乱し
理性の声をかき消していく。
そうなるともうどうしようもない。
『全く……この人のこれだけはどうしても抗えない』
一体どこで習得したものやら。
自分とてそれなりに経験を積んだ筈なのに。
彼の口付け一つで他の人よりは遙かに堅固だった
ガードを崩されてしまったのだから。
次第に息が荒くなり、自分の肩に置かれていた掌が
体のいたるところを弄るように撫でられると
もはや理性の抗議は聞こえなくなっていた。
後は本能の赴くまま、そして彼の意のままに
融かされていくしかないのだ。
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