[010]    テクニック     mil  


 

何度も角度を変えて落される口付け
ちゅ…くちゅ、と微かな水音が
耳朶を打つたびにガルルは
頬が紅潮していくのを止められなかった。
真昼間からこんなところで
こんな風に逢瀬をしているだけでも
ガルルの理性は背徳と羞恥を訴えているが、
深く深く差し込まれる舌先が
ガルルの口腔を艶めかしくかき乱し
理性の声をかき消していく。

そうなるともうどうしようもない。
『全く……この人のこれだけはどうしても抗えない』
一体どこで習得したものやら。
自分とてそれなりに経験を積んだ筈なのに。
彼の口付け一つで他の人よりは遙かに堅固だった
ガードを崩されてしまったのだから。

次第に息が荒くなり、自分の肩に置かれていた掌が
体のいたるところを弄るように撫でられると
もはや理性の抗議は聞こえなくなっていた。
後は本能の赴くまま、そして彼の意のままに
融かされていくしかないのだ。




作者コメント 
5月23日が「キスの日」と知り、その日のうちに何か描きたいと思ったものの、
案の定描きあがりませんでした;;
それならばせめてお祭りにーー!
というわけで濃厚なキスを(笑)
他にもキスする絵を描いたのですがこちらは思った以上に大佐が極悪人
ぽくなってしまったのでコチラを。

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■共鳴作品■

[012]年上のキス